特に気をつけたい重大な病気と予防法

高齢者がかかりやすい重大な病気としては、まず悪性新生物が挙げられるが、あらゆるガンの発生率が高い訳ではない。高齢者に多いのは、大腸がんや胃がんなどの消化器系及び肺がんといった呼吸器系が中心で、乳がんや悪性リンパ腫などは若年層の発症率が高い。肺がんは重篤化しやすく延命率も低いと言われているが、高齢者は進行速度が遅いため、肺がんに罹患しても長生きする高齢者もいる。

高齢者の病気のうち、死亡者が最も多い大腸がんは、早期発見によりかなり回復するので、検査に対する意識次第で死亡者数を減らせるだろう。大腸がんや胃がんの多くは罹患しても全く自覚症状がなく、検査して初めて気付く人がほとんどだ。消化器系のがんは食生活の影響が大きいと言われるが、心的ストレスが原因とされることもよくある。

悪性新生物の次に高齢者に多い病気は、脳卒中だ。脳卒中は、脳の血管に血栓が生じて詰まってしまい、脳梗塞を起こすことにより発生する。高血圧になりやすい高齢者は、脳卒中のリスクが高いと言えるだろう。常に血圧をコントロールする意識が欠かせない。

免疫力が低下した高齢者は、肺炎や結核も要注意だ。インフルエンザなどのウイルスや結核菌が身体内部に侵入することによって、このような伝染病に感染する高齢者は多い。免疫力を上げるため、野菜と魚中心のバランスが取れた食品を摂り、適度な運動をして血流を円滑にするよう努力しなければならない。孤立化してストレスを溜めないよう、他人と交流を深める機会を確保することも大切だ。